“私が勤める工場にはいろいろな人がいて、人生も様々。
ギャンブルにハマり家庭崩壊した人、浮気がバレて奥様に逃げられた人、投資に失敗して行方不明になった人。
我が社に勤務する人はまさに十人十色です。その中で、投資に失敗して行方がわからなくなった同僚の話を紹介します。
その同僚はFXが好きで、年がら年中、リスキーな取引をしていました。彼のやっていた取引は日本円とイギリスポンドのトレードです。時には「10分で80万円儲かった」「あ?やられた?、50万負けた?」という言葉をよく耳にしました。
「どんだけハイリスクのトレードをしてるんだ」と聞いたところ、レバレッジを最大にかけて取引しているそうです。レバレッジとは少ないお金で大きな取引をすることで、言い換えればお金を借りて取引する事と同じです。上手くいけば儲かるし、逆に失敗すると地獄に落ちます。
ある日のことです。彼の顔色が段々と悪くなっていき、まるで表情が死人のようでした。私は少し心配になり、「どうした?何かあったか?」と聞くと、FXで失敗し、大きな金額を損したと、声を震わせながら答えました。
その金額は定かではありませんが、彼の様子を見る限り、相当ヤバい金額であることは容易に想像できました。仕事が終わり、「お疲れさま?」と言うと、彼からは何の応答もなく・・
それが彼を見た最後でした。
それ以降、彼が会社に来なクラウドなって・・
それからしばらくすると、会社にひっきりなしにヤミ金のような金貸屋さんから「○○さん、いる、金返せ」と督促の嵐。きっと、彼はヤミ金からお金を借りてお金をFX会社に返済したのだろうと思います。
更には、親御さんが捜索願いをだしたようで・・
警察からも職場に電話が鳴り響きました。
一体、彼は今頃何をしているんだろうか?
元気でいることを願うばかりです。”