「変なローンを組まされた」
亡き伯母の旦那、難儀な伯父からの嫌な電話です。
「次は何をやらかしたの?事情を聞くから今からそっちに行きます」
電話を切り、私は母と伯父の家に向かいました。
伯父は、お気に入りのソファの上でうなだれています。
せっかくのゴールデンウイークが台無しだと思いながら、私は
不機嫌な顔で話を聞き始めました。
「昨日さ、リフォーム会社の営業マンが来てな。
玄関の熱帯魚をえらく褒めてくれるから
話が弾んでさあ。久しぶりに楽しかったから家に上がってもらったんだよ」
私と母は顔を見合わせて溜息をつきました。
「それであれよあれよとリフォームの話になって、断ったら態度を急変させて
ちょっと恐喝っぽくなって来てさ。怖いからハンコ押しちゃったんだ。
70万円のローン組まされたよ」
ああ・・・あるあるすぎます。
「分かった!そんなの悪質リフォーム会社だからクーリングオフさせるから」
ところが会社に連絡しようにもゴールデンウイークです。
長期休暇で電話も繋がりません。
やられた!と思いました。
「消費者センターに電話して相談するから」
早速かけてみて、リフォーム会社の名前を言うと有名な悪質業者で
度々クレームが上がっているとのことでした。
消費者センターの係の人の言うとおりに書類を整え、リフォーム会社に送付しました。
数日後、クーリングオフが成立したとの報告がありほっとしました。
それから1年後、件のリフォーム会社が摘発されて代表者が逮捕されたと
新聞の三面記事に載っていました。
「ざまーみろだな!」私は母と伯父に報告し、ガッツポーズしました。