職場の同僚が以前勤めていた花屋さんは、従業員が4人とオーナーの5人で
アットホームな会社だったようです。
パートさんのひとりで、とても美人で頭も切れる女性がいました。
同僚はその人に密かな憧れを抱いていました。
彼女は高級ブランドバッグを収集するのが趣味で、毎月違ったバッグを
楽しそうに変えてくるのでした。
「ひとつ数十万円もするバッグでしょう。
何か副業をして別に稼いでいると思ったのよ」
同僚は話します。
「でもね、実際は消費者金融でお金を借りて見栄を張ってたみたい」
初めは数万円借りて、返しての繰り返しでしたがあっという間に
借金は膨れ上がりました。
そこで彼女は花屋の売上金に手を付け始めました。
初めはほんの少しずつだったようですが、バレないとなると大胆になりました。
店の売上金だけでなく、休憩室のオーナーの財布からも拝借するようになったのです。
「実はお店の売上金が抜かれていることをオーナーは気付いていたみたいなの。
でも、犯人が誰か分からなくて泳がしてたんだって」
オーナーはシフトを確認して、いつ誰が入っているときに盗難が起きているか
徹底的に調べ、そして防犯カメラをこっそりと仕掛けました。
そこで確信を得たので、従業員を集め話始めました。
「お店の売上金とオレの財布から現金を抜いている奴がいる。
○○だよな。実は先日カメラを仕込んだから言い逃れ出来ないよ」
彼女は観念したように、泣きながら生活が苦しくてしかたなくと
言い訳を始めました。
「いや、君って高級ブランドバッグ買いあさってるよね?
警察には言わないけど、うちは辞めてもらうから。
それと花関係の職場では一切働けないように手配したから頑張りなよね」
オーナーの見事な解決でした。